更新日: 2021/09/04
優勝候補の最右翼は、連覇を狙った寺本(大阪)。この日も充実した試合ぶりは頭ひとつ抜けた印象で、森(福岡)、権瓶(東京)、清水(愛知)と強豪選手を相手にしても、圧勝を続け準々決勝に進んだ。
準々決勝で対戦したのが上段の正代(神奈川)。寺本は、上段相手も苦にする様子がなく、試合中盤、完璧な出ばなメンを決めて勝利を決めたかに見えた。
しかし、正代は勝負をあきらめず攻めに攻め続け、終盤、ついに執念の担ぎ面を決めた。勢いにのる正代は、勝負開始後の初太刀、完璧な諸手コテを決めて勝負あり。
大会白眉の大一番を制した正代は、その後、大きな怪我から復活した米屋(埼玉)を準決勝で、正統派の剣道が光る若生(北海道)を決勝で、強豪を倒して初優勝を決めた。
当時の剣道日本の記事から。
昨年の覇者・寺本(大阪)との準々決勝で、崖っぷちに追い込まれながら大逆転劇を見せた正代賢司(神奈川)。
27歳の若き上段剣士は、電光石火の太刀さばきでコテへメンへと竹刀を操り、決勝の舞台へ駆け上がった。対するは北海道の若生。
上段対中段の鬩ぎ合いは約20分に及び、最後は正代の風をも切り裂くようなひと振りが、コテを狙いすました若生の頭上を直撃。25年ぶりに上段の選手権者が誕生した。
結果
優勝 正代賢司
神奈川 神奈川県警
27歳 五段
八代東高校出身
2位 若生大輔
北海道 北海道警
31歳 六段
国際武道大学出身
3位 有場賢輔
広島 広島刑務所
28歳 五段
創価大学出身
3位 米屋勇一
埼玉 埼玉県警
32歳 六段
國士舘大学出身