更新日: 2023/06/11
当時の剣道日本の記事から。
宮崎 歴史的勝利
中村太郎、戸田忠男、千葉仁、川添哲夫ら往年の覇者たちも、翌年決勝まで進出しながら連覇はならなかった。近年では警視庁の西川にその期待が集まったが、優勝は2度したものの連続勝利の夢は断たれている。
今大会も焦点は宮崎(神奈川県警)の連覇に絞られた。
序盤戦を脱した宮崎は、3回戦で好敵手・警視庁の寺地種)を倒し、上位争いではタイプの似た佐藤、田島の警視庁勢に苦しみながらも攻めの姿勢を崩さず連破。決勝の舞台に踊り出た。
一方のブロックを勝ち上がったのは、若手・五段の栄花(北海道・教員)だった。栄花は、資格制限の緩和で五段の出場が可能となった昨年から2年連続の出場。昨年は緒戦敗退だったが、今回は持ち味を充分に発揮し、昨年度3位の進藤、ベテラン加治屋、宮崎の対抗に押された石田ら、並み居る強敵を退けて決勝に進出。五段勢、教員勢の旗頭となって決勝戦に挑んだ。
両者攻撃を基調としたタイプ。勢いのある栄花に対し、宮崎は”史上初の連覇“の重圧をいかに抑え込むかがカギとなった。しかし、宮崎は平常心で決勝に挑んでいた。開始1分過ぎ、宮崎の鮮やかな抜きメンが炸裂。さらに宮崎は二本目まもなく完壁な出ばなメンを決め、栄花を圧倒。
宮崎の底知れぬ強さ、そして、ジンクスを覆した歴史的勝利に場内は大きな拍手に包まれた。
結果
優勝 宮崎正裕
神奈川 神奈川県警
28歳
2位 栄花英幸
北海道 札幌創成高校教員
27歳
東海大学出身
3位 石田利也
大阪 大阪府警
30歳
大阪体育大学出身
3位 田島稔
東京 警視庁
29歳
国士館高校
動画
栄花英幸 – 宮崎正裕 1991 全日本剣道選手権大会 決勝 by Tsuyoshi Ishikawa
宮崎正裕 – 田島稔 1991 全日本剣道選手権大会 by Tsuyoshi Ishikawa
石田利也 – 栄花英幸 1991 全日本剣道選手権大会 by Tsuyoshi Ishikawa
佐藤勝信 – 宮崎正裕 1991 全日本剣道選手権大会 by Tsuyoshi Ishikawa
加治屋速人 – 栄花英幸 1991 全日本剣道選手権大会 by Tsuyoshi Ishikawa
石田利也 – 佐賀豊 1991 全日本剣道選手権大会 by Tsuyoshi Ishikawa
中田善幸 – 田島稔 1991 全日本剣道選手権大会 by Tsuyoshi Ishikawa
雑誌
剣道日本 1991年12月号
なし
なし
剣道時代 1991年12月号
なし
なし